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厚岸でシシャモ漁始まる、初日は1.7トン超を水揚げ 資源減少が続くなか今季の漁に注目

北海道厚岸町で2026年のシシャモ漁が始まりました。厚岸漁協直売店「エーウロコ」の発信によると、初日の生シシャモの水揚げは1.7トンを超えました。

ここ数年の初日は数十キロから100キロ程度の水揚げだったとされ、今年は大きく増えてのスタートです。当日リサーチで確認したNHKの報道でも、初水揚げは前年の20倍以上と伝えられています。

ただし、初日の水揚げだけでシシャモ資源そのものが回復したと判断することはできません。北海道では近年、シシャモの漁獲量減少が大きな課題となっており、今後の漁模様や資源の動きを慎重に見ていく必要があります。

厚岸のシシャモ漁、初日は1.7トン超を水揚げ

厚岸で今季のシシャモ漁が始まり、初日に1.7トンを超える生シシャモが水揚げされました。近年の初日の水揚げが数十キロから100キロ程度だったことを考えると、目を引く数字です。

厚岸漁協直売店「エーウロコ」は今回の水揚げについて、ここ数年の状況と比較しながら「久々の朗報」と紹介しています。シシャモだけでなくさまざまな水産物の水揚げが低調な状況のなか、地元にとって明るいスタートになったことがうかがえます。

項目内容
地域北海道厚岸町
魚種シシャモ
2026年の初日の水揚げ1.7トン超
近年の初日の状況数十キロ~100キロ程度とされる
主な漁期10月~11月

北海道でしか獲れない「本物のシシャモ」とは

シシャモはキュウリウオ科の魚で、北海道の太平洋沿岸に分布する日本固有種です。北海道の公表情報によると、全長は13センチ前後で、北海道太平洋沿岸の水深120メートルより浅い海域に分布しています。

秋になると産卵のため沿岸へ近づき、10月中旬から11月下旬にかけて特定の河川を遡上します。河口から上流へ入り、砂れきの川底で産卵するという特徴を持っています。

釧路地方では茶路川、阿寒川、新釧路川、別寒辺牛川、尾幌分水川などが遡上河川として北海道から紹介されています。厚岸沿岸のシシャモは、脊椎骨数などの特徴から別の群れと考えられていることも公表されています。

スーパーなどで広く見かける「子持ちシシャモ」の多くは、シシャモとは別種のカラフトシシャモです。北海道太平洋沿岸に生息するシシャモとは魚種が異なるため、ニュースで厚岸の「シシャモ」が取り上げられた際には、この違いを知っておくと理解しやすくなります。

なぜ秋にシシャモ漁が行われるのか

シシャモ漁の中心となるのは秋です。釧路総合振興局によると、ししゃもこぎ網漁業は10月1日以降、連続35日間が操業期間とされています。

沖合にいたシシャモは秋になると産卵のため水深30メートル以内の沿岸域に集まり、その後、産卵する河川へ向かいます。漁では、この時期にシシャモが沿岸に集まり、まとまって移動する習性を利用します。

十勝総合振興局も、シシャモ漁業の大部分は10月から11月を漁期とするししゃもこぎ網漁業で、河川へ遡上するため沿岸に集まってきた魚を漁獲すると説明しています。つまり、秋の限られた期間に漁が集中する魚なのです。

漁期前半には「脂ししゃも」と呼ばれる魚も

厚岸漁協直売店「エーウロコ」は、今回水揚げされた時期の生シシャモを「脂ししゃも」と紹介しています。この時期はまだ卵がほとんど入っておらず、餌を食べながら回遊し、身に脂を蓄えている段階だと説明しています。

シシャモというと卵を抱えたメスを思い浮かべる人も少なくありませんが、漁期の中でも魚の状態は変化します。秋のシシャモは、産卵へ向かう過程そのものが漁や食文化と深く結び付いている魚といえます。

北海道の資料でも、シシャモは10月中旬から11月下旬になると産卵のため河川へ遡上するとされています。漁期序盤と産卵期に近づいた時期では、同じシシャモでも状態が異なる点は、この魚を知るうえで興味深い特徴です。

初日の好調だけでは「資源回復」とは判断できない

今回の1.7トン超という初日の水揚げは、近年と比較すれば明るいニュースです。しかし、ここで注意したいのが「初日の水揚げ増加」と「資源全体の回復」は同じではないという点です。

北海道議会の資料によると、えりも以東海域のシシャモ漁獲量は2010年に1,215トンでした。その後は減少し、2018年844トン、2019年443トン、2020年290トン、2021年169トン、2022年194トン、2023年113トン、2024年110トンと推移しています。

年えりも以東海域の漁獲量
2010年1,215トン
2018年844トン
2019年443トン
2020年290トン
2021年169トン
2022年194トン
2023年113トン
2024年110トン

2024年の110トンは、2010年の1,215トンと比べると10分の1以下です。長期的には厳しい資源状況が続いてきたことが分かります。

また、北海道立総合研究機構が公表した2025年度版の主要魚種の資源評価でも、北海道周辺のシシャモについて厳しい資源状況が示されています。このため、今年の初日に多く水揚げされたという一つの結果だけから、長期的な資源回復まで読み取ることはできません。

北海道ではシシャモ資源の減少が大きな課題に

シシャモをめぐる状況は北海道内でも地域によって異なります。えりも以西海域では、関係漁協などで構成する「えりも以西海域ししゃも漁業振興協議会」が2023年から自主的に禁漁を決定しています。

北海道議会での道の説明によると、漁再開については道総研などと連携した資源調査を行い、親魚の河川遡上数の回復状況を確認したうえで判断する方針です。一方、厚岸を含む釧路・十勝側のえりも以東海域ではシシャモ漁が行われています。

同じ北海道のシシャモでも、海域によって漁業や資源を取り巻く状況が異なることが分かります。厚岸の初水揚げが好調だったことは注目されますが、北海道全体のシシャモ資源の問題とは分けて考える必要があります。

今季は「初日の量」から「漁期全体の動き」へ注目

2026年の厚岸のシシャモ漁は、1.7トンを超える初水揚げという明るいスタートになりました。近年の初日の水揚げ状況を考えると、大きな変化として注目されます。

一方で、本当に重要なのはこれからです。シシャモ漁は10月から11月の限られた時期に行われるため、初日の数字だけでなく、その後どの程度の水揚げが続くのか、漁期を通した漁獲量がどうなるのかを見る必要があります。

さらに、シシャモは産卵のため河川へ遡上する魚です。漁獲量だけでなく、親魚の遡上や資源調査なども長期的な資源状況を考えるうえで重要な情報になります。

北海道の太平洋沿岸だけに生息する日本固有のシシャモ。厚岸で久しぶりにまとまった水揚げから始まった2026年の漁が、最終的にどのような結果になるのか。秋の漁期を通した動きに注目したいところです。

参考情報

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