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【2026/05/11】豊洲市場 今日の水産市況|初鰹が本格入荷・シャコは卵のせ旬最盛期

GW明け最初の週、豊洲市場は総取引量503,626kgと堅調なスタートを切りました。今回は2026年5月7日(水)の最新公開データをもとに、輸出事業者・仕入れ担当者が注目すべき相場動向をお届けします。

※本レポートは魚相場ナビ(豊洲市場)およびGD Freak! 豊洲水産市況グラフポータルの2026年5月7〜8日公開データに基づいています。

今日の注目魚種 TOP3(2026/5/7 豊洲データ)

第1位:カツオ(初鰹)― 初夏の主役が本格化

  • 高値: 2,160円/kg
  • 中値: 972円/kg
  • 安値: 540円/kg
  • 入荷量: 33,004 kg

太平洋を北上する「初鰹」が本格入荷シーズンに入りました。三陸沖から相模湾にかけての漁場で水揚げが活発化しており、GW明けの今週から入荷量がさらに増える見込みです。高値2,160円に対して中値が972円と開きが大きく、産地・鮮度・ロット規模によって価格の幅があります。まとめ買いや直接産地交渉ができる事業者には、仕入れコストを抑えるチャンスです。

第2位:ブリ ― 全魚種トップの入荷量・安定相場

  • 高値: 972円/kg
  • 中値: 864円/kg
  • 安値: 648円/kg
  • 入荷量: 76,439 kg(50魚種中・最大)

入荷量が最も多かったのはブリ。高値・中値・安値の価格帯がまとまっており、相場が安定しています。九州・愛媛の養殖ブリが中心で、5月以降は天然ブリの入荷が減り養殖主体のシーズンへ移ります。韓国・中国・香港向け輸出でニーズの高いブリですが、今の相場水準はコスト見通しを立てやすく、仕入れ計画を組む好機です。

第3位:マグロ ― 生鮮高値9,720円・冷凍は中値3,802円

  • 生鮮マグロ 高値: 9,720円/kg
  • 生鮮マグロ 中値: 5,170円/kg
  • 生鮮マグロ 安値: 3,240円/kg
  • 入荷量: 35,011 kg
  • 冷凍クロマグロ(5/8): 高値4,860円/kg・中値3,802円/kg・安値2,700円/kg(出典:GD Freak!)

マグロは生鮮・冷凍ともに高値圏で推移しています。冷凍クロマグロは5月8日時点で中値3,802円/kgと、冷凍ストックを扱う輸出事業者にとってはコスト精査が必要な水準です。輸出向けに冷凍マグロを扱う場合は、中値〜安値帯(2,700〜3,802円/kg)での仕入れルート確保がポイントになります。

関東・関西の価格差はなぜ生まれるのか

今週は豊洲(東京)データを中心にお届けしています。大阪・神戸の市況(大阪市中央卸売市場 市況情報)も毎開場日に更新されますが、今週は画像形式での公表のため豊洲中心の比較となります。

一般に、豊洲と大阪では同じ魚種でも価格差が生じます。主な理由は3点です。

  • 産地との距離:大阪・関西は瀬戸内・九州産の近海魚を低輸送コストで仕入れられる
  • 需要構造の違い:東京はマグロ・サーモン消費が多く、大阪はタコ・ハモ・アジなど上方食文化に根ざした魚種の需要が高い
  • 取引方式の比率:豊洲は入札・競りが主体、大阪は相対取引の割合が高く、価格交渉の余地が異なる

輸出仕入れでは、同じ品質でも調達市場によって10〜20%のコスト差が出るケースがあります。豊洲・大阪・福岡(長浜市場)を組み合わせた複数市場からの調達が、コスト最適化の鍵です。

今週の旬魚情報:5月がベストの3魚種

イサキ ― 産卵前の「脂のせピーク」は今

イサキの旬は5月〜7月で、産卵前にあたる5〜6月が一年で最も脂がのる時期です。三重・長崎・対馬近海から良質な天然イサキが入荷しています。「白身のトロ」と評されるほど、この時期のイサキは脂の甘みが際立ちます。1kg1,500〜2,500円前後での流通が多く、鮮魚輸出品目としても需要があります。

シャコ ― カツブシ(卵)入りの5月が最高の食べ頃

シャコの旬は4〜6月ですが、5月は「カツブシ」と呼ばれる濃厚な卵巣を持つ個体が最も多い時期です。東京湾産・瀬戸内産が中心で、良質な個体は1尾300円前後で流通することもあります。鮮度の劣化が速いため産地直送でのルートが仕入れの優位性につながります。

ホタテ ― 春の出荷ピーク最終盤・冷凍ストックは今月中に

ホタテの春旬(3〜5月)は今月が最終段階です。北海道産の活ホタテが豊洲に安定出荷されており、品質・価格ともに買い場が続いています。5月末以降は入荷量が減少傾向に入るため、冷凍ストック用の仕入れは今月中に手を打つのが得策です。

輸出事業者・バイヤーへの視点:今週の仕入れ判断ポイント

今週の豊洲データから、輸出ビジネスに直結する3つの視点を整理します。

① カツオ(初鰹)は「今が仕入れの分岐点」です。中値972円/kgと高値2,160円/kgの開きが示すように、産地・鮮度・ロット規模によって価格交渉の余地があります。カツオはバングラデシュ・スリランカ・モルディブなど南アジア市場での需要が安定しており、鰹節原料として東南アジアの日系飲食店向け輸出ルートも有望です。冷凍加工品にすることでロスを最小化できる点も輸出向きの魚種です。

② ブリは「安定仕入れ」の絶好機です。入荷量76,439kgと全魚種最大で中値864円/kgと価格が落ち着いています。韓国・中国・香港向けのブリ輸出では、品質規格(サイズ・脂のり・処理方法)が厳しく問われますが、今の相場水準は仕入れコストを計画に乗せやすい状況です。今週中に複数ロットの見積を取ることをおすすめします。

③ ホタテは「今月中の冷凍ストック仕入れ」を推奨します。中東・カタール・UAE市場では冷凍ホタテの需要が高く、ハラール対応の冷凍加工品として有望な品目です。春旬の最終盤となる今月中に冷凍ストック用の仕入れを確保することで、夏場の供給不足リスクを回避できます。

今週の注目予測とまとめ

GW明け最初の週は、豊洲市場の総取引量503,626kg・平均卸価格2,111円/kgと安定した出だしです。今週後半に向けては以下の2点に注目してください。

  • カツオ入荷量の増加:黒潮北上とともに千葉・宮城沖での水揚げが増加傾向。週末に向けてさらに入荷が増える見込みで、週後半は中値帯が下がりやすい
  • イサキ・シャコの産地別価格格差拡大:旬最盛期の今週末は産地別の価格差が広がりやすい。長崎・三重産は高め、太平洋沖物・東京湾産は比較的安価な傾向

輸出仕入れのご相談は、有限会社あさひ通商にお気軽にどうぞ。

出典・参考情報

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