北海道・噴火湾の毛ガニ漁が2026年6月に解禁され、長万部漁港では初日の水揚げ量が過去10年で最多を記録した。輸出商社にとって今シーズンは絶好の仕入れ機会だが、漁期は7月12日までと短く、書類・航空便手配を今すぐ始めることが今シーズンを制するカギだ。
- 噴火湾産毛ガニの特徴と今年の水揚げ状況
- 輸出ビジネスへの3つの影響
- 輸出事業者が今すぐ確認すべき手続き
何が起きたか
2026年6月、北海道・胆振地方と渡島地方をまたぐ噴火湾で毛ガニ漁が解禁された。長万部漁港では解禁初日の水揚げ量が373キロに達し、過去10年で最多を記録したと報道されている(出典:日テレNEWS NNN、HBCニュース北海道 / Yahoo!ニュース)。なお室蘭市の漁港でも初日に約900キロが水揚げされ、前年の約6倍にのぼったと伝えられている(出典:UHBニュース)。
噴火湾産毛ガニの最大の特徴は濃厚なカニみそがたっぷり詰まっていること。深い湾奥地形と冷涼な水温が組み合わさった独特の漁場環境で育つ毛ガニは、国内の高級料亭はもちろん、香港・台湾・シンガポールなどアジアの食品バイヤーからも高い評価を受けてきた産地ブランドだ。
漁期は7月12日まで(長万部漁協)。噴火湾の毛ガニ漁は試験操業という位置づけで、漁獲量に管理枠が設けられており、商業目的でのロット確保には早期の動きが不可欠となる。
輸出ビジネスへの影響
水揚げ量が過去10年最多という事実は、輸出事業者にとって複数のプラス要因をもたらす一方、短い漁期という構造的な制約は例年と変わらない。
① 輸出ロットの確保がしやすい
豊漁年は産地側との価格・数量交渉に余地が生まれやすい。通常年は取り合いになりがちな数量確保が今年は比較的スムーズになる可能性があり、新規バイヤーへの試験的サンプル出荷にも適した年といえる。今シーズンをサンプルテストの機会として積極的に活用することを検討してほしい。
② アジア市場の需要は底堅い
香港・台湾・シンガポールでは「日本産カニ」は高級食材として確固たる地位を築いている。特に夏にかけての活ガニ需要は旺盛で、今年の豊漁は市場供給を安定させ、バイヤーの購買意欲を後押しする要因になりえる。
③ 漁期の短さが最大のリスク
漁期は7月12日まで(長万部漁協)と限られている。活ガニの輸出は航空輸送が基本となるため、仕向国(輸出先国)ごとの書類取得・通関準備・航空便の確保を今すぐ並行して進める必要がある。「豊漁だから余裕がある」と思いがちだが、バイヤーの引き合いも増えるぶん航空便や書類対応が混雑する可能性もある。準備が1週間遅れれば今シーズンを丸ごと逃しかねない点に注意が必要だ。
輸出事業者が今すぐ確認すべきこと
- 仕向国別の必要書類を確認する
水産物の輸出には国・地域ごとに異なる証明書が必要となる。中国・香港向けには水産庁または北海道が発行する輸出証明書・原産地証明書・放射性物質検査合格証明書が求められる。台湾・シンガポール向けは衛生証明書(厚生労働省)が基本だ。最新要件は公式サイトで必ず確認すること。
水産庁:水産物輸出に係る手続(施設認定、証明書等)について
北海道:道産水産物の輸出手続き - 活ガニ航空輸送の手配を急ぐ
長万部・室蘭から香港・台湾への活ガニ輸送は航空便が主流。漁解禁から7月12日までの短期間に便を押さえる必要があり、時期によっては満席・満貨になる可能性もある。航空会社のカーゴ部門への打診は今すぐ始めることが急務だ。 - ジェトロの最新規制情報を確認する
輸出先国の規制は随時更新される。甲殻類(かにの仲間)の衛生基準・アレルゲン表示・放射性物質規制に関する最新情報はジェトロのWebサイトで確認すること。
ジェトロ:日本からの輸出に関する制度(農林水産物・食品)

まとめ
2026年6月、北海道・噴火湾の毛ガニ漁が解禁され、長万部漁港では過去10年最多となる水揚げ量を記録した。豊漁はロット確保の好機であり、香港・台湾・シンガポールなどアジア市場での需要も底堅い。しかし漁期は7月12日まで。仕向国別の書類準備・航空輸送の手配を今すぐ動き始めた事業者だけが今シーズンの恩恵を受けられる。
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