今回の変更で最初に見るべき3点
農林水産省の案内では、インド向け輸出水産食品の取扱要綱が2026年6月24日に更新されています。また、2026年7月1日発行分から、衛生証明書の発行方法は紙から電子へ切り替わりました。
電子発行では、証明書原本をシステムからダウンロードします。申請者が紙の原本を受け取る運用ではないため、申請担当者、輸入者、通関担当者の間で、原本データの共有方法をあらかじめ決めておくことが重要です。
ただし、水産食品の衛生証明書は当面の間、従来の様式が発行されます。新様式が用意されていることだけを見て、直ちに新様式で申請すると判断せず、発行時点の農林水産省案内と申請様式を照合します。
1.商品区分を先に整理する
最初に、輸出する商品が水産食品に当たるのか、養殖水産動物用飼料・飼料用魚粉に当たるのかを分けます。今回の記事は水産食品を対象にしますが、同じインド向けでも品目ごとに要綱と様式が異なるためです。
商品情報は、魚種、天然・養殖、冷蔵・冷凍、加熱の有無、乾燥・塩蔵・味付けの有無、包装形態、最終加工施設を一覧にします。商品名が同じでも加工処理方法が異なれば、証明書で確認される項目が変わる可能性があります。
また、インド政府による製造施設の登録は、水産食品を含む一定の対象食品で必要とされています。日本側の施設認定と、インド側の製造施設登録を同じものとして扱わないことが、初期確認のポイントです。
2.認定施設リストを確認する
農林水産省のインド向け案内には、認定施設のリストが掲載されています。リストは2026年8月13日に更新されているため、過去に確認したファイルをそのまま使わず、申請前に最新版を開きます。
確認するのは、施設名だけではありません。製造・加工を行う施設が対象リストにあるか、商品を実際に扱う施設と申請書の記載が一致しているか、保管や最終包装を別施設で行っていないかを照合します。
仕入れ先から「輸出実績がある」と説明を受けた場合でも、その説明だけで登録状況を確定してはいけません。施設の正式名称、所在地、営業許可に関する資料、製造工程、今回輸出する品目を、申請資料と同じ表記でそろえます。

3.電子衛生証明書の申請方式を確認する
電子発行への切替後は、証明書原本をシステムからダウンロードします。申請担当者は、利用登録、申請者情報、施設情報、商品情報、出荷情報を最新の操作マニュアルに沿って入力します。
申請時には、従来様式の衛生証明書を使うのか、新しい様式の適用対象になっているのかを確認します。農林水産省の案内では、当面は従来の衛生証明書様式を発行するため、改正前の申請様式で申請するよう示されています。
証明書の内容は、輸出する品目や加工処理方法によって、食品衛生に関する証明だけが必要な場合と、食品衛生および動物衛生に関する証明が必要な場合があります。商品を一括りにせず、加工工程と原料由来を整理してから申請区分を確認します。
4.複数品目では99品目上限に注意する
2025年3月17日申請分から、1件の証明書に記載できる品目数の上限は99品目です。複数品目を申請する場合は、品目情報を証明書のAttachmentに記載します。
混載を予定している場合は、魚種、規格、加工状態、数量、包装単位を早めに確定します。品目数を数えずにインボイスやパッキングリストを作成すると、証明書との照合時に修正が必要になる可能性があります。
99品目以内であっても、証明書と商業書類の表記が一致しているとは限りません。英語表記、学名、加工形態、重量単位、ロット番号など、輸入者が照合する項目を事前にすり合わせます。
申請前チェックリスト
- インド向け水産食品に該当する商品区分か
- 魚種、加工状態、温度帯、包装形態を整理したか
- 製造・加工施設が最新版の認定施設リストにあるか
- 日本側の施設認定とインド側の製造施設登録を分けて確認したか
- 当面の申請様式と電子発行の操作手順を確認したか
- 食品衛生のみか、動物衛生も含む証明かを確認したか
- 複数品目が99品目以内か、Attachmentの内容がそろっているか
- インボイス、パッキングリスト、証明書の品目表記が一致しているか
まとめ
インド向け水産食品輸出では、電子衛生証明書への切替だけを見るのではなく、商品区分、製造施設、証明書様式、品目数を一つの確認表にまとめることが大切です。
特に、当面は従来様式が発行されること、認定施設リストが更新されていること、複数品目は99品目が上限であることを確認します。個別商品の手続や必要書類は、最新の要綱、申請先、輸入者の条件を照合して判断してください。