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未利用魚をもっと食卓へ 11月の「魅了ギョWEEK」で注目される魚の価値

2026年11月3日から7日までの「いいさかなの日」に合わせ、水産庁は今年の重点企画を「魅了ギョWEEK」と位置づけました。これまで十分に利用されてこなかった魚の魅力を広く伝え、消費拡大や新たな商品開発につなげる取り組みです。

今回の注目点は、単に魚をもっと食べようと呼びかけるだけではないことです。海洋環境の変化に伴う漁獲魚種の変化や、地域で知られていても全国的にはなじみの薄い魚の活用など、日本の水産業が直面する課題とも関わっています。

11月3〜7日の「魅了ギョWEEK」で何が行われるのか

水産庁は2026年10月23日、11月3日から7日の「いいさかなの日」を「魅了ギョWEEK」として展開すると発表しました。官民連携による「魅了ギョ・プロジェクト」を通じて、水産物の持続的な利用と消費拡大を目指します。

「魅了ギョ・プロジェクト」は2026年7月24日に始動しました。低・未利用魚と呼ばれる魚などに光を当て、魚のおいしさや特徴を伝えるとともに、商品開発や販路開拓を進める取り組みです。

水産庁の発表では、全国14か所のイベントで「さかなの日」と「魅了ギョ・プロジェクト」の情報を発信する予定です。さらに、20の賛同メンバーが地場の水産物や魅了ギョを活用した新商品の発表、販売イベントなどを実施するとしています。

項目内容
重点期間2026年11月3日〜7日
名称魅了ギョWEEK
推進主体水産庁と「さかなの日」賛同メンバー
主な目的低・未利用魚などの魅力発信、利用拡大、付加価値向上
情報発信イベント全国14か所
賛同メンバーの取り組み20メンバーによる新商品発表や販売イベントなど

未利用魚・低利用魚とはどのような魚なのか

未利用魚とは、漁獲されても十分に流通・消費されていない魚を指す際に使われる言葉です。低利用魚は、一定の利用があっても、その利用が限られている魚を指す文脈で使われます。

ただし、どの魚種が低・未利用魚に当たるかは、地域の食文化や流通状況などによって異なります。全国で一律に食べられていない魚だけを意味するわけではありません。

水産庁は、海洋環境の変化などにより、産地で水揚げされる魚種や漁獲時期に変化が生じていると説明しています。その結果、おいしさや魅力がありながら消費者に十分知られていない魚が各地で見られる状況になっています。

魚が利用されにくいことと、おいしさは別の問題

魚の利用が広がらない理由を、味だけで判断することはできません。魚の認知度、調理方法、加工のしやすさ、流通経路など、複数の要素を考える必要があります。

例えば、食べ方を知らない魚は、消費者にとって購入の判断が難しい商品になります。また、適切な処理が必要な魚では、商品として届けるまでの工程も重要です。

今回のプロジェクトは、そうした魚の魅力を伝えるだけでなく、産地と販売側などの連携によって利用の可能性を広げようとするものです。

なぜ今、低・未利用魚に注目するのか

背景の一つに、日本の水産物消費量の長期的な減少があります。水産庁は、この傾向を踏まえ、水産物の消費拡大に向けた官民の取り組みを進めてきました。

2022年10月には、毎月3日から7日までを「さかなの日」、特に11月3日から7日までを「いいさかなの日」と定めました。魚を食べる機会を増やすとともに、水産物の持続的な利用について考えるきっかけをつくる活動です。

2026年9月末時点で、「さかなの日」の賛同メンバーは1,172となりました。制定時から544増加しており、取り組みに参加する企業や団体などの輪が広がっています。

水揚げされる魚の変化にも目を向ける

水産庁は、海洋環境の変化に伴って水揚げされる魚種や漁獲時期が変化していることを、プロジェクトの背景として挙げています。従来から親しまれてきた魚だけでなく、地域で利用拡大の余地がある魚にも注目する必要があります。

一方で、低・未利用魚を積極的に食べれば、すべての水産資源の問題が解決するわけではありません。水産庁のプロジェクトも、資源の持続的利用を基本として、利用拡大と付加価値向上を進める考え方を示しています。

魚の新しい利用方法を考えるときには、その魚がどのような資源状況にあるのか、どのような処理や流通が必要なのかを併せて考えることが大切です。

クロダイ、アイゴ、アカエイに見る活用の可能性

今回の関連企画では、具体的な魚種を取り上げた展示や交流会、商品販売が予定・実施されています。魚の名前だけでなく、どのような形で消費者に届けようとしているのかが注目点です。

クロダイは展示と試食で魅力を紹介

農林水産省の「消費者の部屋」では、2026年10月26日から30日まで「見て・触って・食べる魅了ギョ探検隊」が開催されています。魅了ギョの実物を見たり触れたりして特徴を学べるほか、クロダイを活用した商品の試食も行う企画です。

魚を実際に観察し、加工された商品を味わう機会は、名前だけでは伝わりにくい特徴を知るきっかけになります。魚そのものの情報と、食べ物としての魅力を結びつける取り組みです。

アイゴは産地の活用事例を共有

2026年11月27日には、東京都中央区の豊海センタービルで「第1回魅了ギョ・交流会」が予定されています。最初のテーマはアイゴです。

交流会では、産地での活用事例を紹介し、成果や課題、取り組みを広げるための連携などについて意見交換する計画です。「さかなの日」賛同メンバー約40名の出席が予定されています。

注目したいのは、魚の紹介にとどまらず、すでに活用に取り組んでいる産地の経験を共有する点です。実際の取り組みで何が課題となり、どのような連携が必要なのかを整理する機会になります。

アカエイを使ったバーガーも登場

四国水族館は、2026年10月21日から館内飲食店舗でアカエイを使ったバーガーの限定販売を開始すると発表しました。水産庁の「魅了ギョ・プロジェクト」に賛同した取り組みです。

同館の発表によると、アカエイはアサリなどの貝類を食べることが指摘されており、尾のとげに毒があるため処理に手間がかかる魚です。こうした特徴も、利用を考えるうえで無視できません。

バーガーという身近な料理の形で提供することは、魚種そのものになじみがない人にも食べる機会をつくる試みです。ただし、アカエイの取り扱いには適切な処理が必要であり、家庭で安易にさばくことを勧めるものではありません。

商品開発と販路開拓が重要になる理由

魚の魅力を知ってもらうことと、継続的に食べてもらうことは同じではありません。消費者が購入できる商品になり、実際の販売経路が整って初めて、日常の食生活に取り入れる選択肢が生まれます。

水産庁の「魅了ギョ・プロジェクト」は、賛同メンバーの連携による商品開発や販路開拓、おいしさの情報発信を掲げています。魚を紹介する広報活動だけでなく、利用につながる仕組みづくりも視野に入れています。

ここで重要なのは、魚種ごとに必要な取り扱いが異なることです。適切な処理方法、加工方法、提供する料理の形などを検討しなければ、魚の魅力を十分に伝えることは難しくなります。

アカエイのバーガー販売や、クロダイを活用した商品の試食は、その具体的な取り組みとして見ることができます。一方、これらの事例が今後どの程度の販売量や消費拡大につながるかについては、確認できる公表情報だけでは判断できません。

11月以降も続く魚の魅力発信イベント

「魅了ギョWEEK」は11月3日から7日までですが、関連する取り組みはその期間だけに限られません。水産庁は、11月以降のイベントや交流会についても発表しています。

日程内容
10月26〜30日農林水産省「消費者の部屋」で魅了ギョの展示と試食
11月3〜7日「魅了ギョWEEK」重点期間
11月14日大阪府岸和田市の「豊かな海づくりフェスティバル」で魚の魅力を発信
11月27日第1回魅了ギョ・交流会(アイゴ編)
12月6日第12回Fish-1グランプリ

12月6日の「第12回Fish-1グランプリ」は、東京都江東区のお台場青海地区で開催される予定です。国産水産物を使った料理コンテストでは8組が魚料理のおいしさを競い、展示や体験ブースでも水産物の魅力を発信します。

水産庁もブースを出展し、魅了ギョを活用した新商品や開発の経緯、産地を含む関係者の連携などを紹介する予定です。単発のイベントで終わらせず、複数の機会を通じて魚の魅力を伝える構成になっています。

消費者は未利用魚とどう向き合えばよいのか

低・未利用魚について知る際には、まず魚の名前や特徴、どのような料理で提供されているのかに注目すると理解しやすくなります。普段よく食べる魚とは異なる種類でも、適切に加工・調理された商品として紹介されることがあります。

一方、知らない魚を見つけたからといって、すべてを同じ方法で調理できるわけではありません。魚種によっては専門的な処理が必要な場合があるため、安全に取り扱われた商品を選び、提供元の案内を確認することが重要です。

また、未利用魚という言葉だけで、安価である、資源量が豊富である、環境負荷が小さいと判断することもできません。価格や資源状況は魚種や地域、時期などによって異なります。

魚を選ぶときに、その産地や利用方法にも目を向けることは、水産物について知る入り口になります。「魅了ギョWEEK」は、普段なじみのない魚について考える機会にもなるでしょう。

今後注目したいのは継続的な利用につながるかどうか

今回の「魅了ギョWEEK」では、展示、試食、商品販売、交流会など、さまざまな方法で魚の魅力が紹介されます。魚を知る機会を増やす取り組みと、実際に商品として流通させる取り組みが並行して進められている点が特徴です。

今後の注目点は、紹介された魚がイベント終了後も継続的に利用されるかどうかです。商品開発や販路開拓がどのような成果につながるのか、産地や販売側の連携がどのように進むのかが重要になります。

ただし、現時点で今回の企画による全国的な消費増加量や経済効果を示す確定値は確認できません。成果を評価するには、今後公表される実績や個別の事例を確認する必要があります。

日本の魚の魅力は、よく知られた魚種だけに限られません。2026年の「魅了ギョWEEK」は、これまで十分に知られてこなかった魚の価値を見つめ直し、水産資源の持続的な利用について考える機会となりそうです。

参考情報

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