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中国の食品輸出登録規定が6月改正。水産物は政府推薦が必須、今すぐ申請を

「登録手続きを急いだほうがいいのか、今は中国に送れない状態なのか」。そんな疑問を抱えたまま動けずにいる輸出事業者は少なくない。2026年6月1日、中国の食品輸出登録規定が改正された。この記事でわかること:

  • 今回の改正で変わった3つのポイント
  • 農水省ルートでの申請ステップ(STEP 1〜5)
  • 現在の日中水産物貿易の状況と今動くべき理由

2023年から2026年まで。日中水産物貿易の経緯を押さえる

まず、直近3年の動きを時系列で整理する。この背景を知っておくと、今回の規制改正の意味がより理解しやすくなる。

  • 2023年8月24日:ALPS処理水の海洋放出を受け、中国が日本産水産物の輸入を全面停止
  • 2025年5月30日:日中間で輸入再開に向けた技術的要件に合意(農林水産省発表)
  • 2025年6月29日:10都県を除く37道府県産の水産物について条件付きで輸入再開
  • 2025年11月:高市首相の台湾発言への反発として、中国が日本産水産物の輸入を事実上再停止
  • 2026年6月1日:「輸入食品海外製造企業登録管理規定」(税関総署令第280号)が施行

※輸出可否の最新状況は農林水産省・外務省の公式情報を必ずご確認ください。

⚠️ 情勢変化に関する注意

本記事の情報は2026年6月18日時点のものです。日中間の貿易状況は政治・外交要因により急速に変化します。輸出判断の前に、必ず以下の公式情報源で最新状況を確認してください。

2026年6月改正。旧規定から変わった3つのポイント

今回施行された規定(税関総署令第280号)は、2022年1月から運用されていた旧規定(第248号)の改訂版だ。水産物を扱う輸出事業者に影響する変更点は主に3つある。

① 政府推薦が必要な品目が17カテゴリーへ(旧:18)

旧規定では18の食品カテゴリーで「輸出国政府による推薦登録」が必要とされていた。新規定では17カテゴリーへと変更された。水産物はこのリストに引き続き含まれており、農林水産省を通じた申請が必須の状態に変わりはない。このリストは「動的調整」として今後も追加・変更される可能性があるため、定期的な確認が必要だ。

② 自動更新制度が新設された(水産物は対象)

旧規定では、登録有効期間(5年)が満了するたびに更新申請が必要だった。新規定では多くの品目で自動更新が導入された。水産物はこの自動更新の対象となる。ただし、肉および肉製品、ツバメの巣製品は対象外で、5年ごとの手動更新が続く。また、住所変更・代表者変更・品目変更が生じた場合には、自動更新対象品目であっても変更申請が別途必要だ。

③ 登録番号のパッケージ表示義務は変更なし(再確認を)

この点は旧規定から引き継がれているが、改訂を機に改めて確認しておきたい。中国向けに輸出するすべての食品は、内包装・外包装の両方に登録番号を表示しなければならない。印刷やラベルが間に合わないまま出荷した場合、通関で差し戻されるリスクがある。香港・マカオ・台湾向けの輸出にはこの規定は適用されない。

出典:農林水産省「中国向け輸出食品の製造等企業登録に係る規制への対応」をもとに作成

農水省ルートでの申請ステップと今すぐ動くべき理由

鹿児島で冷凍カンパチの加工・輸出を手がけるAさん(従業員12名)は、6月の規制改正ニュースを見て農水省の窓口に電話した。「今も中国には送れないんですよね?なら登録も後でいいですか?」と聞くと、担当者にこう返ってきた。「審査には通常数カ月かかります。再開されたその日から動けるかどうかは、今の準備次第です」と。

Aさんはすぐに書類整備に着手した。対中輸出が止まっている今こそ、登録準備を進める好機だと気づいたからだ。再開時に枠を確保できるかどうかは、今日動いているかどうかで決まる。

水産物を中国へ輸出する場合、「農林水産省を通じた政府推薦ルート」が基本だ。日本語で手続きができ、農水省が書類確認とGACCとの調整を担ってくれる点がメリットになる。

Step 1:施設承認申請(最寄りの地方農政局へ)

まず、輸出水産食品の取扱施設として「施設承認」を取得する必要がある。申請時には、官能検査(食品の状態確認)の結果と、HACCPに沿った衛生管理の記録が求められる。製造・加工・保管・養殖・包装の各施設は、それぞれ個別の申請が必要だ。

Step 2:施設承認書の受領

審査が通ると施設承認書が交付される。この書類が次のGACC登録申請で必要になるため、HACCPの書類整備や衛生管理の記録は事前に準備しておく。書類不備があれば差し戻しになり、さらに時間がかかる。

Step 3:国際貿易シングルウィンドウで登録申請

農林水産省が運営する電子申請システム(国際貿易シングルウィンドウ)を通じて施設登録を申請する。農水省が内容を確認・審査したうえで、中国のGACC(海関総署)へ推薦送付する流れだ。

Step 4:GACCが登録番号を発行

GACC(中国税関総署)が登録を承認すると、施設ごとに登録番号が発行される。この番号を製品の内・外包装に印刷またはラベルで表示してから、初めて中国向けに出荷できる状態になる。

Step 5:登録の維持管理(5年・自動更新)

登録有効期間は5年間。水産物は今回の改正で自動更新の対象になったが、住所・代表者・品目に変更が生じた場合は別途届け出が必要だ。「自動更新だから何もしなくていい」という思い込みが登録失効につながるケースがある。

陥りやすい3つのミスと今から動ける3つのアクション

ミス①:10都県産の原料が混入している

中国が現在輸入を認めていないのは、福島・群馬・栃木・茨城・宮城・新潟・長野・埼玉・東京・千葉の10都県産水産物だ。これらの産地を原料に使用した加工品も対象外となる。自社製品の原材料産地まで遡って確認することが不可欠だ

ミス②:登録番号のパッケージ反映を後回しにする

登録完了後、パッケージのデザイン変更・印刷・在庫入れ替えには相応の時間がかかる。登録申請と並行してパッケージ準備を進めておかないと、登録番号が発行されても出荷できない期間が生まれる。

ミス③:自社品目がリスト外だと思い込む

「うちの品目は登録不要なはず」という思い込みが後から問題になることがある。農産物・加工食品の一部も、改正後のリストでは施設登録が必要な品目に含まれる場合がある。国際貿易シングルウィンドウの「Product Type Query」で自社品目の要否を必ず確認しておく。

上記の3つのミスを踏まえ、今日から動ける具体的なアクションをまとめる。

  • 農林水産省の「中国向け輸出食品の製造等企業登録に係る規制への対応」ページで自社品目の登録状況と必要な申請を確認する
  • 施設のHACCP記録を点検し、申請書類として提出できる状態かチェックする
  • パッケージのデザイナー・印刷業者に事前相談し、GACC登録番号の表示スペースを先に確保する

まとめ

2026年6月1日から施行された中国の新「輸入食品海外製造企業登録管理規定」は、水産物輸出企業に3つの実務対応を求めている。農水省経由の政府推薦登録の継続、自動更新制度の活用と変更事項の管理、そしてパッケージへの登録番号表示だ。

現時点で日本産水産物の対中輸出は2025年11月以降、不安定な状態にある。しかし、再開のタイミングで即座に輸出できるかどうかは、今の準備が決まる。登録申請は審査に数カ月かかる。動き出すのが早いほど、競合に先んじて枠を確保できる可能性が高い。

あさひ通商では、中国向け食品輸出の施設登録申請サポートや書類代行を承っています。まずはお気軽にご相談ください。

出典・参考資料

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