この催しには、バイヤー、飲食店関係者、政府関係者など約100名が参加しました。
会場では、宮崎牛の説明、ハラール認定処理施設の概要紹介、カッティングセミナー、試食、意見交換・商談が行われています。
ニュースとして注目したいのは、単にブランド牛を紹介したことではありません。
輸出先の条件に合わせた施設、認証、証明書、食べ方の提案を一つの場で伝えている点です。
宮崎県がジャカルタでレセプションを開催
宮崎県の公式発表によると、会場はジャカルタのAYANA Midplaza Jakartaでした。
参加者は約100名で、現地バイヤーや飲食店関係者、日本・インドネシアの関係機関などが含まれています。
内容は、宮崎牛のプレゼンテーション、カッティングセミナー、試食、ネットワーキングです。
プレゼンテーションでは、宮崎牛の定義や輸出状況だけでなく、ハラール認定処理施設の概要も説明されました。
また、部位ごとのカット方法やメニュー提案を伝えることで、商品を「どのように食べるか」まで示しています。
海外商談では、商品名や格付だけを伝えても、買い手側の販売方法と一致するとは限りません。
レストラン向けなのか、小売り向けなのか、どの部位をどのメニューに使うのかを確認して初めて、提案内容が具体化します。
インドネシア向け輸出で最初に見る「施設」
農林水産省は、インドネシア向け輸出牛肉の取扱要綱、認定施設リスト、申請様式を公開しています。
農林水産省のアジア向け申請案内では、インドネシア向け牛肉の認定施設リストは2026年2月9日時点の資料として掲載されています。
和牛であれば輸出できる、という判断はできません。
まず確認するのは、対象国向けのと畜場・食肉処理施設として掲載されているかどうかです。
仕入れ先の施設名、所在地、処理工程、対象国を、最新の公式リストと照合します。
同じ事業者の施設でも、すべての国向けに認定されているとは限りません。
商品を提案する前に、宮崎牛のブランド情報と、輸出に使える施設情報を分けて管理することが重要です。
ハラール対応は「マーク」だけで判断しない
インドネシア向け牛肉では、ハラール対応の確認が重要な論点になります。
農林水産省の資料でも、実際の輸出にはハラール認証が必要であり、施設と認証機関への確認が必要と整理されています。
確認対象は、商品に貼る表示だけではありません。
と畜方法、処理工程、原料の管理、保管、包装、輸送、証明書の関係を確認します。
ハラール認証の範囲や有効性は、施設、認証機関、輸出先の最新要件によって確認が必要です。
そのため、過去に取得した認証書の写しだけで判断せず、今回の施設・商品・輸出先に適用できるかを確認します。
宮崎県の発表で紹介されたハラール認定処理施設の概要説明は、こうした条件を商談の場で伝える一例といえます。
食肉衛生証明書と動物検疫を分けて確認
インドネシア向け牛肉では、食肉衛生証明書と動物検疫の手続きを別々の確認項目として整理します。
農林水産省の案内では、食肉衛生証明書の発行を受けた上で、動物検疫所の輸出検査を受ける必要があるとされています。
動物検疫所は、インドネシア向け輸出牛肉の取扱要綱で定められた食肉衛生証明書が必要と案内しています。
さらに、輸出予定牛肉の由来農場について、輸出前12か月間の伝染性疾病発生状況を確認する条件も示されています。
ここで大切なのは、衛生証明書があるかどうかだけで終わらせないことです。
どの施設で処理されたか、由来農場の情報を確認できるか、申請内容と貨物情報が一致しているかを確認します。
証明書、インボイス、パッキングリスト、商品ラベルの内容に差があると、追加確認が必要になる可能性があります。

部位・カット・メニューをセットで提案する
宮崎県のレセプションでは、部位ごとのカット方法やメニュー提案も行われました。
これは、和牛輸出の商談で見落としやすい視点です。
バイヤーが求めているのは、部位名だけではなく、販売先で扱いやすい規格や調理方法である場合があります。
商談前には、少なくとも次の項目を分けて整理します。
- 部位名と英語表記
- ステーキ、焼肉、薄切りなどの用途
- カット厚、整形範囲、脂・筋の処理
- 重量、包装単位、冷蔵・冷凍の区分
- 現地メニューでの使い方と想定販売先
インドネシア向けでは、ハラール対応が前提になるため、商品提案と施設・証明書の説明を切り離さないことが大切です。
「宮崎牛だから売れる」と断定するのではなく、誰に、どの部位を、どの料理として提案するのかを具体化します。
輸出解禁後の市場で確認したい5項目
今回のニュースを、実際の準備に置き換えると、確認順は次のようになります。
- インドネシア側の輸入者、販売先、用途を確認する。
- 最新のインドネシア向け認定施設リストを確認する。
- 施設のハラール認証と、今回の商品への適用範囲を確認する。
- 食肉衛生証明書、動物検疫、由来農場情報の確認方法を整理する。
- 部位、カット、包装、メニューを現地の販売先に合わせて提案する。
この順番なら、先に価格や数量だけを決めて、後から施設や証明書を確認する手戻りを抑えられます。
なお、輸出条件や施設リストは更新される可能性があります。出荷前には必ず、農林水産省、動物検疫所、輸入者側の最新案内を照合してください。
まとめ:レセプションのニュースを商談準備へつなげる
宮崎県のジャカルタでのレセプションは、インドネシア向け宮崎牛の認知度向上と販路開拓を目指す取り組みです。
一方で、輸出実務の観点では、ハラール対応、認定施設、食肉衛生証明書、動物検疫、商品提案を確認する機会でもあります。
和牛のブランド力を海外商談につなげるには、商品情報と輸出条件を一体で準備する必要があります。
インドネシア向けに提案する際は、最新の制度資料と施設情報を確認し、相手の販売先に合う部位・カット・メニューまで整理しておきましょう。